■ はじめに

「橋」は、いろいろな形、いろいろな構造をしています。また、使用する材料も様々です。さらに、種類についても様々な分類方法があります。そのひとつに、「固定橋」と「可動橋」という分け方があります。
世界にどのような可動橋があるか、代表的と思われる橋を紹介することとします。




■ 可動橋( Moveable bridge, Movable Bridge)とは

可動橋とは、橋体の一部または全体を動かして、船舶航行に必要な桁下空間を確保しようとする橋のことです。橋を架けることで水上交通が妨げられる場合、橋を移動することで船舶の交通を可能にすることができます。かつては橋を渡る側が馬車など非力な物だったので橋桁を高い位置に設計することができず利用された方式でする。



■ 可動橋の種類と特徴

可動橋は、昇開橋(Lift-Bridge)、旋回橋(Swing-Bridge)、跳開橋(Bascule-Bridge)、引込橋(Retractable-Bridge)、折畳橋(Folding-Bridge)、沈下橋(Submersible-Bridge)、運搬橋(Transporter-Bridge)などの種類に分けられます。

可動橋の種類と特徴
種類
英文
特徴
可動橋の例
昇開橋 Lift-Bridge 橋桁がそのまま上昇する橋。
比較的長い支間の可動橋の場合に適用されています。
James River Bridge(米)
Marine Parkway-Gil Hodges Memorial Bridge(米)
旋回橋
Swing-Bridge
橋桁が水平方向に回転する橋。
1リーフ(片開き)及び長大な径間をまたぐ場合の2リーフ(両開き)があります。
夢舞大橋
George P. Coleman Bridge(米)
EL Ferdan Swing Bridge(エジプト)
跳開橋
Bascule-Bridge
航行船舶を通行させるために、橋体を水平位置から垂直付近の位置まで回転して橋桁が跳ね上がる橋。
1リーフ(片開き)及び2リーフ(両開き)があります。
勝鬨橋
Tower Bridge(英)
Fremont Bridge(米)
引込橋
Retractable-Bridge
橋脚を水平移動し固定されている部分に引き込む橋。 Evergreen Point Floating Bridge (米)
折畳橋
Folding-Bridge
橋脚をローラー機構が付帯した梁に懸架し、橋脚部を折畳みながら水平に引き込む橋。 Hoernbridge(独)
沈下橋
Submersible-Bridge
昇開橋のように橋桁を上げる代わりに、橋桁を水中に下降させ船舶の航行を可能にする橋。 Corinth Canal(ギリシャ)
運搬橋
Transporter-Bridge
普通、橋とは橋桁の上を人や車が通行するものですが、運搬橋は橋桁の下にゴンドラを吊り、それに乗って運河や川を渡ります。 Duluth Aerial Lift Bridge(米)
Portugalete(スペイン)
Newport Transporter Bridge(英)



<可動橋の動き方(イメージ)>

昇開橋   SWING   SWING   跳開橋
昇開橋
旋回橋(片開き)
旋回橋(両開き)
跳開橋
             
引込橋   折畳橋   沈下橋   運搬橋
引込橋
折畳橋
沈下橋
運搬橋

出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』可動橋の稼動概念より




■世界の可動橋

世界にどのような可動橋があるか、代表的な橋を紹介することとします。

昇開橋(Lift-Bridge)


James River Bridge ( アメリカ バージニア州 ニューポートニューズ )
James River Bridgeの概要
形式 鋼トラス昇開橋
橋長
7, 200m
最大支間長
126m
完成
1975年
管理者
バージニア州交通局
開橋計画
要求次第
操作時間
7分(道路規制時間)
通過交通量
約23,000台/日
開橋頻度
18/日
航路幅
107m
航路高さ
18m(昇開時44.0m)
維持管理・運営費
約20,000千円/年

James River Bridge (クリックするとリンクします。ただし英文)
james river bridge-1 james river bridge-2

james river bridge- james river bridge-4 james-river-bgidge-5


Marine Parkway-Gil Hodges Memorial Bridge ( アメリカ ニューヨーク )


Marine Parkway-Gil Hodges Memorial Bridgeの概要
橋長 1,226m
最大支間部
165m
航路高
16.5mm
昇降時高さ
40.5m
完成
1937年7月
橋の名前の由来
1978年に、ブルックリンドジャースの素晴らしい一塁手及びメッツマネージャーであった
ギル・ホッジを記念する橋として命名されました。

Marine Parkway-Gil Hodges Memorial Bridge (クリックするとリンクします。ただし英文)
Marine Parkway Gil Hodges Memorial Bridge






旋回橋(Swing-Bridge)


夢舞大橋 ( 日本 大阪 )

 国内では小規模な可動橋が多い中、平成13年度に完成した大阪港にかかる夢舞大橋は、世界初の「アーチ形旋回式浮体橋」です。

夢舞大橋の概要
橋長 浮体部410m
幅員
31.2m
最大支間部
280m
完成
平成13年度
特徴
必要航路幅が200mと非常に大きいこと、開橋頻度が低いこと、埋立地の沈下が大きいこと、などの理由から橋をポンツーンの上に乗せ、いざというときにはタグボートで旋回させる形式が適切であると考えられました。
また、潮位変動や周辺の沈下に対応できること、強い風や波にも安全であること、地震時の外力や船の衝突にも耐えられることなど厳しい設計条件が課せられた。
ポンツーンと橋は一体構造になっているため、造船所のドックで組み立てられ、現地へは多くの曳船によって曳航され、据え付けられました。

夢舞大橋(クリックするとリンクします。)

George P. Coleman Bridge(クリックするとリンクします。但し、英文)
George P. Coleman Bridge

EL Ferdan Swing Bridge ( エジプト Ismajlia )

EL Ferdan Swing Bridgeの概要
形式 ダブルリーフ綱トラス下路式旋回橋
橋長
640m
最大支間長
340m
完成
2001年

EL Ferdan Swing Bridge(クリックするとリンクします。但し、英文)
EL-Ferdan Bridge






跳開橋(Bascule-Bridge)

Fremont Bridge ( アメリカ ワシントン州 シアトル )
Fremont Bridgeの概要
形式 ダブルリーフ跳開橋
橋長
97.2m
最大支間長
73.8m
完成
1917年
管理者
シアトル市交通局
開橋計画
1,000t以上の船舶は要求次第
操作時間
4分
通過交通量
約31.000台/日
開橋頻度
18/日
航路幅
45.7m
航路高さ
9.1m
維持管理・運営費
約30. 000千円/年(主に人件費)

Fremont Bridge(クリックするとリンクします。但し、英文)
fremont-1 fremont-2






引込橋(Retractable-Bridge)


Evergreen Point Floating Bridge (通称:SR 520 bridge) ( アメリカ ワシントン州 シアトル・ベルビュー )

Evergreen Point Floating Bridge(あるいは、別名:SR 520 bridge)の開通は、1963年8月です。シアトルのワシントン湖を横断し、シアトルとベルビューの両市を結ぶ、長さ7,578 ft (2,310 m)の世界で最も長い浮橋です。中央部の引込橋により船舶の航行を可能にしています(但し、橋を開いてもらうためには、事前に連絡する必要がある。(平日の午前5時〜午後9時の間は航行不可)

520 bridge(クリックするとリンクします。但し、英文)
Evergreen Point Floating Bridge






折畳橋(Folding-Bridge)

Hoernbridge ( ドイツ キール )

Hoernbridge(ホーン橋)は、1997年に架けられた歩行者用の橋です。1時間に一度程度開き、その動きが地元住民を魅了し続けています。さらに、観光名所にもなっています。

Hoernbridge(クリックするとリンクします。但し、独文)







沈下橋(Submersible-Bridge)

Corinth Canal( ギリシャ イスミア )

ギリシャのCorinth (コリント運河) に架けられている橋です。原理は昇開橋と同じですが、昇橋橋は船舶を航行可能とするために橋床を上げています。沈下橋は、ブリッジデッキを水面に没するようにします。Corinthでは、ブリッジデッキを水面下8メートルに下げて船を航行させています。

Corinth Canal(クリックするとリンクします。但し、英文)
Corinth Canal-1






運搬橋(Transporter-Bridge)


 ●世界の主な運搬橋(Transporter-Bridge)の建設の歴史
世界の運搬橋
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』可動橋の稼動概念より




Duluth Aerial Lift Bridge( アメリカ ミネソタ ダルース )


Duluth Aerial Lift Bridgeの概要
形式 Transporter-Bridge
橋長(幅)
390 ft (120 m)
最大支間長
完成
1905年
管理者
空中ゴンドラ収容能力
50メートルトン、ワゴン、路面電車、自動車、350人
操作(昇降)時間
55秒
開橋頻度
25〜30回/日

Duluth Aerial Lift Bridge(クリックするとリンクします。但し、英文)
Aerial Lift Bridge

●(左画像:Portugalete(Greatest Biscay Transporter Bridge)(スペイン)   
   右画像:Newport Transporter Bridge(英国))(クリックするとリンクします。ただし英文)
portugalete transporter-bridge-2